「トイレ掃除してますか?」

あれから26年、一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎない時に人生の節目があった。

営業の仕事が絶好調な時に不良債権を2件つかんだ。
役員会議で責められ、「会社を辞める」と父から一週間後に、
仕事を引継いで半年後に1年間頭を冷やせと、
東京で寮がある経営大学校へ入校の指示が下った。

卒業前、経営の助言を頂く為に青年会議所でお世話になった神奈川県のお米屋さんに伺ったら
名刺の裏には「はきものをそろえる」とお地蔵さんの絵があり、冒頭の質問である。
抹香臭い人だなと思った。
当時、25店舗100億円を売る社長の質問にどうしてと、思考が止まってしまった。

半年後、勇気を振り絞って会社の大便器に向かった。
Uの字の水垢があり、黒い垢を爪や雑巾でコツコツと磨いていくと、ポロポロ取れていく。
誰かが黙ってトイレ掃除をしている人がいたんだ。
今迄の自分は、嫌いなもの汚いものから逃げていたと人の心の痛みに気が付いたら、
涙が無性に止まらなくなってしまった。

「問題から逃げない、問題を自分の素手で取り除く」
イエローハットの創業者 鍵山秀三郎様から直接教えて頂いた、
「人が嫌がることを喜んで進んでやる。」
人に挨拶や返事、掃除等の当たり前のことを当たり前にやる
「凡事徹底」が今の自分の信条となった。

また、弊社の今年のスローガンも「凡事徹底」の3乗で、3年継続・実践中である。
社員さん一人ひとりが氣付き、凡事を徹底的に習慣にしていきたい。
そうすれば必ず、「お客様から選ばれる会社」になると確信している。

あの時の出逢いがなかったら、今の自分はいない。
これからもご恩返しで、お掃除を通して「社会の荒みをなくす」
お役に立てる人間になっていきます。

全てに感謝 阿部真一

追伸
昨年末に、日本を美しくする会の元会長、現顧問の田中義人様の出版プロジェクトチームより、
ご指名を頂き「掃除道に生きる」に参画させて頂き、
編集より印刷・製本までさせて頂きました。
仕事冥利に尽きる、やりがいのある生涯で想い出に残るお仕事になりました。

田中義人様は、鍵山秀三郎様との出逢いにより、神社のお掃除から始まり、
「掃除に学ぶ会」全国119か所に及ぶ拠点づくり、
果ては海外ブラジルからハンガリーなどの8拠点づくりを行った率先垂範の行動力に脱帽です。
また、お掃除を脳科学の分野から、
人への思いやり・人間成長に欠かせないものと裏付けされたのには、
驚嘆であり、やってて良かったと自信を深めました。

ぜひ、読者の皆々様には読んで頂きたい1冊です。
弊社のHP「KANUMAKKO」かぬまっこ出版より、お求め頂けましたら幸いです。

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