東雲

東雲は「しののめ」と読み、
「東の空がわずかに白むころ。明け方」(明鏡)のことです。

なぜ、「しののめ」と読むのか?
『広辞苑』によると、
「一説に、「め」は原始的住居の明り取りの役目を果たしていた網代様(あじろよう)の粗い編み目のことで、篠竹を材料として作られた「め」が「篠の目」と呼ばれた。これが、明り取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄明り、さらに夜明けそのものの意になったとする」
とあります。

また、この語は、辞書に「雅言」とあったので、
「雅言」とは何かと調べたら、
「雅語」ともいい、 
「洗練された優雅で正しいことば。特に、古代・中世の詩歌や物語・日記の中に用いられた和語で、現代でも和歌・俳句などの世界では用いられる」言葉です。

雅語は、天象に限っても、
 有明(ありあけ・空に月が残ったままで夜が明ける)
 雲居(くもい・雲のある所、すなわち空の意)
 月読み(つくよみ・月読命~夜を支配する神)
 望月(もちづき・陰暦十五日の夜の月・満月)
 夕星(ゆうづつ・宵の明星)
 弓張(ゆみはり・弓に弦をはる 弓張り月・弓張り提灯)
など雅びで美しい言葉があります。

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