年齢の異称

『論語』にある次の文章から年齢の異称が生まれました。

「子の曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(みみした)がう。七十にして心の欲する所に従って、矩(のり)を踰(こ)えず。」
(『論語』巻第一 為政第二/金谷治訳注 岩波文庫)

「私は十五で学問に志し、三十になって独立した立場を持ち、四十になってあれこれ迷わず、五十になって天命をわきまえ、六十になって人の言葉が素直に聞けるようになり、七十になると心のままにふるまって、それで道をはずれないようになった。」
(高橋政巳・伊東ひとみ『漢字の気持ち』新潮文庫 2011)

すなわち
十五歳=志学(しがく)
三十歳=而立(じりつ)
四十歳=不惑(ふわく)
五十歳=知命(ちめい)
六十歳=耳順(じじゅん)
七十歳=従心(じゅうしん)
です。

また、別に二十歳のことを「弱冠」といいますが、
これは古代中国で男子二十歳を「弱」といい、
元服して冠をかぶったことから。
二十歳でなくても年が若いことにも使います。

一年を表す「とし」と読む漢字には「歳」「年」がありますが、常用漢字表の音訓には、
「歳」は、「サイ(歳末、歳月)、セイ(歳暮)」
「年」は、「ネン(年代、少年)、とし(年子、年寄り)」
とあり、
公用文では「とし」と読ませる漢字には「年」を使います。

デザイン部 中里

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