「よろん」か? 「せろん」か?
新聞やテレビ・ラジオ等マス・メディアでは、
頻繁に内閣支持率等の世論調査が報道されていますが、
この世論調査の「世論」。
音で聞くと「よろん」と読んでいることが
圧倒的に多いような気がします。
世論の読みにはもう一つ「せろん」があります。
「よろん」と「せろん」の両者、どちらが正しいのか。
辞書を繰ってみますと
『明鏡国語辞典 第三版』(大修館書店 2021)には、
こうありました。
【世論・輿論】世間一般の人々の考えや意見。
「参考情報」として、
「public opinion の訳語で、本来は「輿論(よろん)」。
「輿」はもろもろの意。
「世論(よろん)」は、「輿論」の言い換え語として採用された「世論(せろん)」が「よろん」と誤読され、一般化したもの。
そのため「世論」は「よろん」を避けて「せろん」と読む人もいるが、今は少数化した。」
また、『新明解国語辞典 第八版』(三省堂 2021)には、
【輿論】〔「輿」は、衆の意〕それぞれの問題についての世間の人の考え。
「表記」として、「当用漢字制定以後は、この意味で「世論」と書き、「せろん」と言うことが多い。」
おおまかな流れとしては、
『明鏡』のようなことなんでしょうね。
どちらの読みも正しいのですが、
NHKの「ことばのハンドブック」では、
「○ヨロン Xセロン」とあるそうなので、
一般的に「よろん」と読むほうが定着していると言えるのでしょう。
デザイン部 中里
2022年12月5日|校正ノート