ハーフじゃないよクォーターだよ!

クォーターとは4分の1という意味があり、人気俳優の浅野忠信さんは、おじいちゃんがアメリカ人のクォーターだそうです。(ちなみに、おじいちゃんが戦後日本へ進駐軍として来日し、おばあちゃんと出会い、めぐりめぐって浅野忠信さんが生まれたとのことです。)

さて、印刷現場にもクォーターが存在するのをご存知ですか?
現在のDTPはデジタル化され、マックやウィンドウズなどで組版されていますが、その昔は写植機=写真植字機という日本生まれの組版ソフトで活字が組まれていました。
それまでの活字単位は「号」か「ポイント」でしたが、写植機ではメートル法を用い、計算しやすい4分の1mm=0.25mmという単位が生まれました!

印刷では文字のサイズを1級、2級と級数をいう単位で表記します。級=Qと表記することもあり、このQとは4分の1mm!クォーター〈Quarter〉のQからきているのです。
つまり、1級は0.25mm!では4級は、0.25×4=1mm といったぐあい。
逆に、3mmは何級? 先の計算で、1mmは4級とでたので、4×3mm=12級 あら簡単!!
ちなみに、字送り・行送りは「歯」という単位を使い、1歯=0.25mmと「級」と同じメートル法を採用しています。

晃南印刷株式会社は写植の流れをくんでDTPデジタル化に進んでいったので、弊社は「級数」を基本とし、組版をしています。

級数で組版をする意味あるの?
確かに、「号」や「「ポイント」という単位で組版をしても決して間違いではなく、「ポイント」を活用している方も多くいらっしゃいます。(もしかすると「ポイント」の方が主流かもしれません)
ただ、級数の利点はあります!!例えば、限られたスペースで文字組をしたい時

このように、1文字の大きさを簡単に計算することができます。
ちなみにポイントの場合は1mm=2.83ポイントなので、4mm×2.83=11.32ポイント とメートル法をポイントに表すと若干の誤差が生まれます。

組版は、とても奥深い歴史の中で緻密な計算のもとに作業されています。
わたしの組版作業は、級数表・歯送表(級数や歯送りが一目でわかる表組)と電卓を駆使し、いかに美しいレイアウト=組版ができるか日々研鑽、研鑽、努力の日々です。

活字離れが嘆かれている昨今ですが、組版には緻密な作業がほどこされているという目で、今一度活字に触れてみてはどうでしょうか。

デザイン部 93

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