的は外しても、見当は外すな!

見当外れ(けんとうはずれ)、見当違い(けんとうちがい)

推測や判断を誤ること、方向を誤ることを意味する。
「見当外れもはなはだしい」「見当外れな返事をする」
「見当外れな方角」などの使われ方がされる。

さて、この見当外れの「けんとう」とは印刷用語の一つと
皆さんご存知ですか?
印刷はC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4版を使うカラー印刷や表・裏を使う両面印刷などがあり、
表・裏の位置、印刷の色版の位置を合わせる事を
「見当を合わせる」と言います。

見当とは

見当合わせはとっても大切

このように、見当が合わないと絵柄がズレてしまったり、
他にも冊子など製本をする際に位置がズレてしまったりするので、
見当合わせは印刷にとってとても重要!

この「見当合わせ」
江戸時代の浮世絵から受け継がれる技術なのです!
①「一点の特注品『絵師直筆の肉筆画』」と
②「大量生産ができる『木版画』」と
浮世絵には二種類あり
②の木版画は
1.浮世絵師が下絵を描く
2.彫師が墨版(板に絵を貼り付け彫る)を作成
3.浮世絵師が墨版を元に配色「色さし」
4.「色さし」を元に、彫師が「色版(いろはん)」を作成
「色版」は1色に木版1枚と色別に木版を作成し、
和紙へ摺る際に木版の絵柄がズレないよう目印を付ける。
「見当を付ける」

そう!この目印こそが「見当合わせ」が生まれた瞬間なのです!
「見当合わせ」は江戸時代の多色刷りの発展にとても重要な技術。
現代の印刷は先人の知恵から成り立っているものなのですね。

デザイン部 93

« »