マーケティングのお話し その10

今回で、この「マーケティングのお話」も10回目となりました。

毎回その時に、思った事や感じた事を、私の主観でまとめて(あまりまとまっていませんが)掲載してきましたが、今までこのように定期的に考えて文書にする経験がなかったので、とてもよい勉強になっています。

という事で、今回は「主観と客観」というお話。
「主観」とは その人ひとりのものの見方
「客観」とは 当事者ではなく、第三者の立場から観察し、考えること。また、その考え。
(参照:goo辞書  国語・英語・四字熟語のオンライン辞書 より)

営業職において、この「主観と客観」を意識することはとても重要な事だと私は考えているので、あらためて話をしてみようと思います。

有名なお話ですが、その昔、アメリカにある大手靴メーカーが2人の営業を、靴の販売営業のためにアフリカに送り込みました。

しかしアフリカに着くなり、一人の営業は「ここでは靴は売れません、みんな裸足で、靴を履いていないんです」と会社に報告しました。

一方、もう一人の営業は「チャンスです、みんな靴を履いていません。
全ての人に靴を得る事ができます!」と報告したそうです。

おそらく、最初の報告をした営業は靴を売る事ができず、アメリカに帰ることになったでしょう。
もう一人の営業は、多くの人に靴を売る事ができたはずです。

同じ状況なのに、個人の「主観」によって結果が大きく変わるという、わかりやすい話です。

ですが、この話は二人それぞれの「主観」の話です。

 

この話に「客観」を付け加えると、ちょっと内容が違ってきます。
「客観」を考えた場合、それは二人の営業をアフリカに送り出した靴メーカーの営業戦略の話まで遡ります。

このメーカーは色々な調査をして、アフリカには靴を履くという習慣がなく、裸足の人がほとんどであるという事実を把握し、靴の良さをきちんと伝えれば、ビジネスとして靴を売る事が出来るだろうという、多くの関係者が概ね賛成できる「客観」的な考えに至り、それをベースに営業戦略を立て、二人の営業を送り出したはずです。

ちょっと分かりにくいのですが、「客観」とは「他人の視点や見方、考え方」ではなく、「他の多くの人達が概ね賛成、賛同できる視点や見方、考え方」であり、そしてそれは必ずしも正しいとは限らない、という側面を持っています(日本語って難しいですね)。

なので、この話は、一人の営業には「客観」的な考えが伝わっておらず、本当は二人分の成果(利益)が得られたはずなのに、一人分の成果(利益)しか得られなかった。
という、コミュニケーション不足による機会損失という、違う側面を持った話になってしまうのです。
もしかしたら、「客観」的な考えが間違っていて、全くビジネスにならなかった。という結末になったかもしれません。

 

営業において、自分の考え:主観、お客様(担当者)の考え:主観、お客様と同じ立場にいる方々(部署、上司、企業全体)が概ね賛同する考え:客観、があることを意識しながらお話や提案する事が重要です。

「自分が良いと思った」とか、「ご担当者様がそうしてほしい」と言った、という「主観」だけの営業では上手くいきません。
ご担当者様を含む、お客様から賛同を得られるような「客観」がベースあって初めて仕事に繋がります。
ただし、その「客観」から得られたものが、お客様にとって良い結果になるとは限らないという事も、常に頭に置きながら視野をを広く持って営業をしていきます。

今回は長々と書いてしまいました、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
ちなみに「主観と客観」これに加えて「俯瞰」という考え方もありますが、それはまた別の機会に。

ではでは。

営業部 高林

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