糸かがり製本

【糸かがり綴じ】とは、その名の通り本の背を糸でかがって綴じていく製本方法です。000017-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc
一折づつ開いて糸かがり機にかけ、各折り丁の折目を糸で綴じた後下固めとして接着剤が塗布されます。
これは手作り製本としては王道とも言える方法で、接着剤で背面を貼り付けるだけの無線とじと比べると時間はかかりますが丈夫な仕上がりになるため、辞書など上製本、つまり表紙がハードカバーになっているある程度厚みのある本にはこの方法が採用されています。

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この構造上、本を見開きにした場合にセンター付近に広がる接着剤の面積が小さく開きやすいことがメリットで、見開きの絵柄や写真がある場合に接着剤で損なわれる危険性も少なくなります。

【糸かがり綴じとその歴史】
糸で書面をかがるという考え方それ自体は、非常に古く、万葉集など古代の本も「和綴じ」と呼ばれる糸でかがる製法が採用されていました。
糸かがり綴じは和綴じとは少々異なりますが、やはり歴史は古く古代から伝わる製本方法です。
しかし、手間とコストがかかるため、現在では低コストで大量生産が可能な無線とじが主流になっており、前述の通り辞書などある種の特別な目的の為に発行される出版物にのみ、この製法が使用されるようになりました。

商品部 まるきん

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